クラミジアとは
chlamydia trachomatis(クラミジア トラコマーティス)という一般の細菌とは少し違った性質を持つ病原体に感染して起こる病気です。
このクラミジアは眼、咽頭粘膜、子宮頚管粘膜、尿道粘膜などにしか感染することができません。
以前は眼の感染から失明にいたることも多かったのですが、わが国では眼の感染は外見で早期発見できることや衛生環境の進歩でほとんどなくなりました。
しかし、尿道や子宮の感染は強い症状が出にくいことや恥ずかしさも手伝って、なかなか発見できません。
女性の場合は子供の眼に感染させる恐れがあるので、妊娠した際には必ず検査することになっています。
ある産婦人科の先生の統計では、初めて妊娠した女性の感染率はなんと30%以上とのことでした。
するとそのパートナーも感染しているわけで、新婚夫婦のおよそ1/3はクラミジア感染していることになります! 早速検査を受けましょう!
症状について
排尿痛、下腹部痛、下腹部違和感、尿道分泌物、帯下増量、会陰部不快感、尿道掻痒感など。
のどに感染した場合は咽頭痛や咳などが続く場合もあります。
検査
尿検査や分泌物検査でクラミジアDNAの有無を検査します。
検査してから約1週間で結果が出ます。
治療
薬物治療です。
投薬法は1回大量内服や、5日から7日の連続服用などで、いずれにしても飲み薬で治療します。
治療費用
治療は保険適応となります。
しかし、「自覚症状も何もないけど、心配だから調べて欲しい」「結婚などの目的で証明書が欲しい」などの場合は健康診断扱いになるので保険は効きません。
クラミジア雑学知識
この病原体の名前になっているトラコマーティスは、トラコーマ(トラホーム)という眼の病気から発見されました。
江戸時代は視力障害者がかなり多く、「座頭」とか「検校」とか呼ばれて、マッサージなどをしていたのをご存知でしょうか。
彼らの中にはかなりの割合でこのクラミジア感染による視力障害者がいたようです。
もしかしたらあの有名な「座頭市」はクラミジア感染者だったかも知れません。
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